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【街の灯】

読書
06 /08 2017
6/7に読み終えました。
あったかい作品が読みたいなぁと思い、再読です。

作者は北村薫さん。
『空飛ぶ馬』でデビューした方です。
一時期は正体を隠した覆面作家でもありました。
直木賞を取った『鷺と雪』も本作のシリーズ。

本作はこんな感じ。

昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。 amazonから引用


まず昭和7年という戦前の上流階級の世界がいきいきと描かれることが圧巻です。
こんな感じ。

わが家では、《パパ、ママ》という。学校に行って知ったのだが、これが宮様方では《おもうさま、おたたさま》となる。大声で父親を呼ぶと、思うさま、おもうさまと呼ぶことになるわけだ。
お公家様だと《おでいさま、おたあさま》、うちのような武家では《おととさま、おたたさま》というのが本筋らしい。もっとも、外交官などで西欧暮らしの長いお宅では、《ダディー、マミー》さえあるようだけど。



どんだけ呼び方あるんだー!とつっこんだのは私だけじゃないはず。

表現の多様さ、ここに極まれり。
これも失った文化なのかなぁ。

さて、北村薫といえばミステリです。
それも「日常の謎」というジャンルの立役者。
今回も趣向を凝らしていますよ。

どきりとした。
おかしなことに眼の迷いで、一瞬、《仏法僧鳥啼く時おそろし》と、読めてしまったのだ。


うわぁ、どうしようもなく世界にひきこまれますね。
何が起ころうとしているのだろう。

そして描かれる、どうしようもない人の気持ち。
こころが動くさまが巧みに描かれます。

そして何より、戦前というのはもちろん戦争に突き進んだ時代。
だからこそ、次のように登場人物に言わせます。

《…悍馬というなら、時代ほどの悍馬はいないさ。ナポレオンでさえ、振り落とされた》


なんという表現。
この表現を知れただけでも、読んでよかったと思いました、まる。

   
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